MISSION
研究会の目的
太陽光パネルのシリコンリサイクル
2012年に「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(以下FIT制度)」により、全国でメガソーラーが急激に普及した際に設置された太陽光パネルが2030年以降、寿命を迎えます。年間80万トンの太陽光パネルが廃棄されると予想されています。現状では、太陽光パネルの半導体シリコンは産廃シリコンとして廃棄されており、再利用されていません。
半導体メモリ生産プロセスで生じたシリコンスラッジリサイクル
半導体メモリ生産時にはシリコンウエハの切削が必要となり、切削量は平均650µmほどです。これにより、年間2600トン以上のシリコンスラッジが半導体メモリ生産時に排出されています。これらのシリコンスラッジは産廃シリコンとして排出されており、再利用されていないのが現状です。
高純度シリコンの都市資源化による資源セキュリティの向上
太陽電池や半導体メモリの元になるシリコンウエハの原料である金属シリコンは1982年をもって国内で生産するメーカーがなくなり、現在は全量輸入となっています。金属シリコンの製造には膨大な電力が必要で、比較的電気代の安い地域で主に生産されています。廃棄された高純度シリコンを資源化する技術があれば、都市資源としてわが国の資源として利用可能となり、資源セキュリティの向上に貢献します。
MESSAGE
代表からのメッセージ
産官学が連携して
半導体サーキュラーエコノミー社会実現をイチから考える!
このように高純度半導体シリコンが産業廃棄物として廃棄されています。それらはコストの面からリサイクルされてきませんでした。しかしながら、せっかく高純度にしたシリコンをそのまま廃棄するのはもったいないです。金属シリコンが全量輸入であることを考えると、産廃シリコンを新たな都市資源と見なすことで、日本の中で再利用できるようにすると、資源セキュリティ的にもメリットがあります。本研究会ではそんな産廃シリコンがリサイクルされるよう、新しい技術を創り出すことを目標にしています。最終的には半導体サーキュラーエコノミー社会実現の一助となる技術を実現します。
研究会代表:名古屋工業大学 准教授 加藤慎也